vol.26

このページでは、日本各地に潜む物の怪を毎回1匹ずつピックアップ。オリヂナルイラストをつけて紹介してゆきます。




アイヌに伝わる小人。コロポックルとはアイヌの言葉で「蕗の葉の下にいる人」という意味で、その名の通り蕗の葉の下に隠れられる程小さい。北海道の先住民であるとも謂うが、その動きは俊敏で姿を見た人は殆どいない。漁に出ようとする丸木舟をひっくり返したり、屋根に穴を空けて雨漏りさせたりと悪戯好きだが、本当に困っている人には力を貸してくれると謂う。かつてアイヌの人達は彼らの住処を侵すような事はせず、共存共栄していたが、ある時コロポックルの美しい娘に目がくらんだ男がその娘をさらってしまった為、それ以来姿を見せなくなってしまった。一説には北海道開拓の際、本渡から渡ってきた人の手によって彼らの領域が侵された為、住処を追われたのではないかとも謂われている。JMT本社のある立川の柴崎町には明治終わり頃までコロポックルの穴と呼ばれる大きな穴があった。今はもう無くなっているが、原市場の稲荷付近には大人2人が手を伸ばして囲めるくらいの深さ1メートル程の穴がいくつも開いていたと謂う。大雨が降った後には新しい穴が増えたと謂うが、何故そのような名前で呼ばれていたのかは謎である。ひょっとすると北海道を追われた彼らが安住の地を求めて立川まで来ていたのかもしれない。

<参考文献>  「立川のむかし話」   立川市教育委員会発行
        「昔話北海道 第2集」 堀内興一著