vol.37

このページでは、日本各地に潜む物の怪を毎回1匹ずつピックアップ。オリヂナルイラストをつけて紹介してゆきます。




目玉が一つだけの怪。目一つ小僧とも謂う。非常にメジャーな怪で、「ろくろ首」「傘化け」と並ぶ人気者だ。一つ目小僧はそのポピュラーさ故か、民間伝承の中に数多く記録されている。関東地方や、静岡県では旧暦の12月8日と2月8日の夜には一つ目小僧が現れると謂う。地方によっては竈や囲炉裏で葱を燃やしたり、鰯の頭を焦がしたりする事で、この怪が嫌がる臭気を出して魔除けにすると謂う。また、目籠を竿の先に付けて、軒先に掲げる所もある。籠には沢山の目があるので、一つ目小僧はこれを恐れて、家に近づく事が出来ないのだそうだ。「武蔵野の民話と伝説」という本には、自分の生い立ちを涙ながらに語る一つ目小僧が登場するが、こちらは一つ目小僧の歴史的背景を解説する為に登場させられたキャラクターのように思われる。物怪観光の描く処の一つ目小僧は何故か制服を着ているが、これは怪長の夢の中に登場した一つ目小僧をスケッチした物であり、伝承とは関係ない。
      <参考文献>「武蔵野の民話と伝説」       原田重久著