このページでは、日本各地に伝わる物の怪に纏わる物産を、物の怪観光が誇る物怪博物館コレクションの中から毎回一点づつ紹介してゆきます。




東京都港区麻布にある十番稲荷神社はガマ池縁の神社である。その昔、火防・火傷のお札「上の字様」を授与していた事は物の怪好きの間では広く知られている。ガマ池のある山崎邸から受け継がれてきたこのお札も、残念な事に今では廃絶している。しかし、一昨年新聞などでも話題になったガマ池保存問題でもわかる通り、地元住民にとって、この池には並々ならぬ想い入れがある。現在十番稲荷で授与されている小さな蛙の形をした御守りも、「上の字様」の復活を望む住民の声を受けて作られたのだそうだ。姿・形は変わったものの、今もその御利益はしっかりと受け継がれている。蛙を御守りにしている所は日本各地にある為、ここで扱われている御守り類も既製品かと思いきや、主要な御守り類は全てオリジナルだというから驚きである。中でもお薦めは蛙の形をした文鎮。これは神社脇に鎮座している、二匹の蛙像の内の一匹を模した物である。この像はある石材屋が昭和57年に奉納した物である。なんでもこの像を作って設置した処、店は大繁盛、それを借りた銀行も大繁盛という大変縁起の良い石像である。これだけの御利益を独り占めしておくのは勿体ないという事で奉納されたのだそうだ。蛙は乾く事を嫌うというので、像の横には常に水と柄杓が用意され、道行く人が水を掛けている。地元の小学生達は、朝水を掛けてから学校に行き、学校が終わると再び立ち寄って水を掛けて帰るという。蛙像は子供達にも人気者なのだ。この像をモデルにして作られたのがこの蛙の文鎮である。背中にはきちんと十番稲荷のロゴが入っている。ここでしか手に入らない逸品である。職場の机上に置けばきっと御利益がある事だろう。十番稲荷では他にもこの蛙像が刺繍された可愛い御守り袋も授与している。物の怪好きのみならず、蛙好きも注目の神社である。価格1000円也。