このページでは、日本各地に伝わる物の怪に纏わる物産を、物の怪観光が誇る物怪博物館コレクションの中から毎回一点づつ紹介してゆきます。




群馬県沼田市の迦葉山には関東三大天狗の一つとして名高い弥勒寺がある。もと天台宗の寺だったが、室町時代後期に改宗して曹洞宗になった。寺の改宗及び復興に力を振るったのが天巽慶順禅師。彼には中峰尊者という子供が随従しており、寺の改宗、開山の際、人並み外れた活躍をしたと謂う。やがて禅師が二世、大盛禅師に寺の実権を譲ると、「我、迦葉仏の化身にて、すでに権化業は終わった、よって今後は永くこの山に霊し末世の衆生を技苦与楽せん」と誓願し、案山峰より昇天し、その後に天狗の面が残されていた。彼こそが迦葉山に住む天狗である。境内には6.5メートルの巨大な天狗の面が奉納されており、お守りをはじめ様々な天狗グッズが売っている。中でも有名なのが、張り子の面。こちらで借り受けた物を持ち帰り、再び参拝する際は麓で新しい面を買って奉納するのが習わし。ただし、参道や麓の土産物店で販売している物は同じ面でも作者によって顔や作り、大きさも異なる。髭のある物、目が大きめな物など数種類あるので、好みで選びたい。我が社がお薦めなのは目が小さめの写真のタイプ。髭付きもあるが、塗りだけの物が素朴で味がある。これは高尾山でも言える事だが、迦葉山の天狗も本来の姿は迦楼羅タイプの烏天狗。しかしキャラクター的には鼻高の大天狗の方が人気らしく、面等ほとんどのグッズは鼻高タイプになっている。おそらくこちらのタイプになったのはそう古い話ではないように思われる。写真にあるように、この作者の面には烏天狗バージョンも存在する。しかし鼻高天狗に比べると圧倒的に数は少なく、見かけたら購入しておく事をお薦めする。価格は各900円也。
*尚このコーナーに記載されている価格は筆者購入時の物で、あくまで参考程度です。購入時期や購入場所によって若干の開きがある事を予め御了承下さい。
<参考文献>「天狗の霊峰 迦葉山」迦葉山パンフレット